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ドイツの大学入学準備 | ドイツ語能力の証明試験

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こんにちは、tabbieです。
2017年現在大学準備ビザでドイツに滞在していることもあって、現在の主な日課はドイツ語の勉強です。
その過程で集めたドイツの大学進学のためのドイツ語力証明試験について、情報をまとめてみました。
基本的な情報の他に、主観に基づくそれぞれの試験のメリット・デメリットなんかも書いておきました。どの試験を受けようかな? と悩んだときに、少しでも参考になればと思います。

TestDaFの基本情報

たぶんドイツ留学を考えたことがあるなら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
正式名称は"Test Deutsch als Fremdsprache"、通称TestDaF。ドイツのすべての大学で語学証明として通用する、おそらくもっともメジャーなドイツ語試験です。

TestDaF Institut

試験は

  • Leseverstehen(読解)
  • Hörverstehen(聴解)
  • Schriftlicher Ausdruck(筆記)
  • Mundlicher Ausdruck(口述)

の4つの分野から構成されており、それぞれTDN3/TDN4/TDN5の3段階で成績がつけられます。(TDN3に満たない場合は不合格)

大学入学にはすべての分野でTDN4以上の成績を修める必要があります。...と言われていますが、大学によって基準はまちまちです。
合計点数を満たせば、TDN3の分野があっても入学を認めてくれる大学はあります。

例)
ハンブルク大学...合計15点以上
ルール大学ボフム...合計16点以上

などなど...

TestDaF対策のオススメ参考書はこちらの記事で紹介しています。

www.tabbie-cat.net

TestDaFのメリット

試験対策が立てやすい

TestDaFはテーマこそ異なりますが、毎回ほぼ同じ形式で出題がなされます。
そのためいわゆる「試験対策」が非常によく効くというわけですね。

特に筆記と口述では多くの表現を共通で使い回せるので、試験対策にかけるコストも比較的少なく済みます。数あるドイツ語能力試験の中でも特にTestDaFの人気が高いのは、こういった事情によるのかもしれません。

世界中どこでも受験できる

もちろん日本でも。試験会場はゲーテ・インスティトゥート東京(東京ドイツ文化センター)または獨協大学です。

が、安心してはいけません!
TestDaFは年に6回ほど試験が開催されているにもかかわらず、日本での開催はたったの3回、しかも会場はどちらか1箇所のみというクソ仕様です。

どうしても急いで試験を受けなければならないときは、比較的定員に余裕のある韓国あたりまでサクッと行って受験してみるのもひとつの手だと思います。
びっくりするかもしれませんが、次の項目でも書くようにドイツではわざわざドイツ国外にまで出向いてTestDaFを受験する人も少なくないですので、それほど突飛な提案ではないんですよ...

TestDaFのデメリット

受験難民の大量発生

先ほどもちょっとだけ触れましたが、ドイツ国内で最も人気のあるドイツ語試験のためか、毎回のように受験難民(=受験したいのに定員オーバーで受験できない人)が大量に発生します。

自分の住んでいる都市で受験できれば超ラッキー、ドイツ国内で受験できれば御の字、そうでなければ外国で受験する… ということも珍しくありません。大学への出願時期に近い4月あたりの回で特に多くの受験難民が発生するようです。
私のフラットメイトははるばるルーマニアまで出向いてTestDaFを受験していました。本当にご苦労様です。

世界中どこでも受験できる、というメリットはこの裏返しなのかもしれませんね。

好みが分かれる口述試験

TestDaFの口述試験は人間同士の対話ではなく、PCに向かって解答を吹き込む形式です。
相手の言うことを聞く必要もなくひたすら独り言をブツブツつぶやくだけでよいので、(私のような)コミュ障には非常にありがたい試験形式ですが、普通の人には少し奇妙な感じがするかもしれません。時間制限がきっちり決まっておりやり直しもきかないので、失敗をリカバリーしにくいのもマイナスポイント。この口述試験の形式ゆえに、TestDaFの受験を敬遠する人たちもいるようですので…
ここは好みの分かれるところです。

DSHの基本情報

Deutsche Sprachprüfung für den Hochschulzugang、通称DSH。
こちらもTestDaFと並んで有名なドイツ留学のためのドイツ語試験ではないでしょうか。
大学毎にDSH試験がありますが、ひとつの大学でDSHに合格すれば、その合格証は他の大学でも語学証明として通用します。

成績の付け方は1、2、3の3段階。
2以上で大学入学レベルの語学力として認められるようです。

DSHのメリット

辞書の持ち込み可

DSHのルールは大学によってさまざまではありますが、大体において独独辞書の持ち込みが許可されているようです。
まあ、悠長に辞書を引いてる暇はそんなにないと思いますが、少なくとも設問のカギになる単語の意味がわからなくてパニックに陥る、なんてことはなくなるはずです...

DSHのデメリット

リスニングがやや面倒

基本的にDSHのリスニングでは長い文章を一度だけ聞いて、記述形式で設問に答えます。

例えばフンボルト大学ベルリンのDSHのサンプル問題がこちら

全ての問題を記述形式で答えなければならないうえに、文法の間違いもチェックされます。こわい!
TestDaFのリスニングの記述問題は多少の文法の間違いがあってもだいたい見逃してもらえるため(例: Er fliegt nach der Schweiz. と書いても不正解にはされないらしい)、何かしら聞こえた単語で回答欄を埋めておけば点数を貰える可能性がかなりあるのと比べると、ちょっと面倒です。

入学手続きが無駄になる可能性も...

このあたりの規定は大学によってまちまちですが、おおよそDSHは大学への入学手続きを済ませたあと、授業開始の直前に実施されることが多いようです。
で、ここで不合格になると、その学期の入学はなかったことになります。わ、残酷…

なので、DSHだけで語学証明をしようと思うのはちょっと危険かもしれません。なるべくDSH一発勝負にならないように事前にTestDaFやtelcを受験しておいて、リスクを分散しましょうね。あんまり並行してやりすぎるのも良くないですけど...

telc C1 Hochschule

日本ではあまり紹介されていませんが、ドイツ国内では割と幅を利かせてきたドイツ語能力証明試験telc。大学への出願者に向けた telc C1 Hochschule というレベルがあり、こちらも多くの大学でドイツ語能力の証明として採用されています。

telc - telc Deutsch C1 Hochschule

試験分野は 読解・聴解・作文・口述 とおなじみの4分野ですが、TestDaFのように分野別に評価が下されるのではなく、総合的に合格/不合格の判断がなされます。  

telc C1のメリット

受験のチャンスが多い

TestDaFが毎回大量の受験難民を出しているのは先に書いたとおりですが、telcではそのようなことはまずありません。
ドイツ中の語学学校でほぼ毎月のように開催されていますので、(お金の続く限り)ひたすら試験を受け続けることも可能です。

なお受験料は学校によって違うので、ネットで受験料の安い学校を探してみることをオススメします。
私が知る限りではベルリン市内だと安いところで€130、高いところは€170くらいでしょうか。同じ試験なのに€40の差は悔しいですからね。

取り組みやすい口述試験

telcの口述試験は2人または3人での対話形式。
事前に準備コースなどに参加すれば、試験の前に口述試験のパートナーと組んであらかじめ練習することができるのです。
相手のアクセントに慣れておくことができるのは大きなメリットでしょう。
また、試験官もその語学学校の先生が担当することが多いので、慣れ親しんだ環境で落ち着いて試験に臨むことができます。

telcのデメリット

難しい

どの試験もそれぞれ難しい部分があるのは当たり前なんですが、telc C1の難しさは他のドイツ語試験よりも高い総合力を求められる点にあります。
TestDaFでは文法問題は一切出題されませんし、作文にはおおよそ決まった形式があるので、この型に沿って書いていけば、自分の言葉で表現しなければならない部分はほんの少ししかありません。

それに対してtelcは文法問題あり、作文の形式は自由と、基礎的な知識から臨機応変に対応できる応用力まで、より総合的なコミュニケーション能力を求められることになります。

Goethe

日本ではTestDaFやDSHに次いで名前の知れているゲーテ。なぜなんでしょうね? ゲーテ・インスティトゥートがあるから?
私は一度も受験を検討したことがないのでここでは詳細を書きませんが、語学学校の先生たちはみな口を揃えて「ゲーテの試験はクソ面倒だからやめときなさい」と言いますので、たぶんそういうことなんでしょうね。

さいごに

そんなわけで私は専らTestDaFの勉強をしています。
できるだけ早く語学証明を得たいばかりにあれこれと手を出すよりも、1つかせいぜい2つに種類を絞って受験するのが良いのではないでしょうか。試験はやはり「慣れ」が必要な部分もありますからね。