ベルリンでひきこもり

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イギリス最強のゲテモノ料理と名高いウナギのゼリー寄せは、イギリスらしさが詰まった至高の一品だった

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イギリス料理はおいしい。
ちょっとセンスがなくて、意識が低いだけ。
イギリス最強のゲテモノ料理と名高いジェリードイール(ウナギのゼリー寄せ)だって、噂が一人歩きしているだけ。そうに違いない。

牡蠣の町、ウィスタブルへ

ロンドンから電車で東へ1時間半ほど走ったところに、ウィスタブル(Whitstable)という港町があります。ここはローマ時代にまで遡る牡蠣の名産地で、毎年7月にはオイスターフェスティバルが開催され、多くの観光客を集めるイギリス随一のシーフード料理のメッカ。

そんな牡蠣が有名なウィスタブルには、もうひとつ名物があります。
それがジェリードイール、すなわちウナギのゼリー寄せです。

今ではその本場であったロンドンでさえ提供する店を見つけるのが難しいジェリードイールですが、ウィスタブルではオイスターバーやフィッシュマーケットなど、至るところでその姿を目にすることができます。

ロンドンで食べた先人の証言には「口に入れた瞬間吐いた」「ウナギに対する冒涜」などとおぞましい言葉が並んでいますが、ここシーフードの聖地ウィスタブルなら「ジェリードイールはおいしい」というに足る証拠を手に入れられるのではないか。そんな期待を胸に、フィッシュマーケットの片隅で"Best jellied eel in Britain"と謳う店に足を踏み入れたのでした。

イギリスらしさあふれる一品

さて、こちらが直径8cmくらいのカップに入ったジェリードイール。£2です。
好みで胡椒とチリビネガーをかけていただきますが、今回はジェリードイール本来の味を楽しむために、調味料は無し。
日差しを浴びてキラキラしていて、とっても、おいしそう...ですね。それでは。

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結論:噂ほどはまずくない。けれどイギリス料理らしいセンスの無さが光る一品

あまりのまずさに吐き出すレベルの食べ物ではありませんよ。ちょっとセンスが足りないだけです。本当に下記のような、ほんの些細なものです。

  1. 生臭い
    臭みを取るという発想が一切抜けているようで、ゼリー部分がとても魚臭い。
  2. グロい
    青白く褪めた色の皮がちょっと気味悪い。そしてデカイ背骨が口に刺さって痛い。
  3. 冷たい
    ウナギにたっぷりのった脂が、舌に不快な余韻を残してくれます。

...いいところがひとつもないようですが、魚の生臭さと脂を存分に感じさせてくれる、イギリスらしい素材の味をよく活かした一品です。
おつまみとして食べるなら、アルコールで生臭さが緩和されてそこそこイケるのではないかと思います。その前に下処理の段階で臭みを取るべきという話は忘れてください。

ウナギ自体は脂がのっていてとても良質なものでした。現代のイギリスでは恐れ、忌み嫌われるウナギたちですが、きっと彼らが日本近海で生まれていたならば、おいしい蒲焼きになって皆を喜ばせていたんだろうな*...と思うと、運命の残酷さを感じずにはいられません。

*実際はニホンウナギとヨーロッパウナギ、種類が違います

おまけ:ウィスタブルの観光情報

ジェリードイールはともかく、ウィスタブルは普通に観光地としておすすめの場所ですので、名誉回復のために観光情報をいくつか。

このジェリードイールを食べた海沿いのフィッシュマーケットでは、年間を通して1つ£0.8からと手頃な値段で牡蠣を味わうことができます。
そして、ウィスタブルでオイスターフェスティバルのほかにもうひとつ目玉となっているのが、女王陛下御用達のロイヤルネイティブという種類の牡蠣です。こちらが味わえるのはは9月から4月までの期間限定。フェスティバル期間以外にも十分訪れる価値のある場所ですね。
港から伸びるハイストリートには、かわいらしい雑貨屋さんやカフェなども多いので、こちらを覗いて歩くのもウィスタブル観光の楽しみのひとつです。

定番のフィッシュアンドチップスも、ここではおなじみのCod(タラ)以外にもさまざまな種類が選べます。参考までに代表的なフィッシュアンドチップスの魚のリストと日本語訳を下記にどうぞ。

  • Cod...タラ
    フィッシュアンドチップスといえばタラ。癖のない淡白な味は、万人受けする定番にふさわしい味わいです。
  • Haddock...コダラ
    タラよりも水分が少なく、身が引き締まっています。お値段もちょっと高め。
  • Pollock...スケトウダラ
    かまぼこ、ちくわなどの練り物の原料としておなじみのスケトウダラ。あまりフィッシュアンドチップスとして食べたことはありませんが、水分が多いのが特徴とのことです。柔らかいのかな?
  • Skate...ガンギエイ
    というか、エイヒレ。身のふわふわ感と軟骨のコリコリ感が楽しい。
  • Halibut...オヒョウ
    大型のカレイの一種。なぜかイギリスでは高級魚扱いですが、脂が少なく大味なため日本ではあまり人気のない魚です。とはいえ、寿司ネタの代替魚として実は大活躍しています。
  • Plaice/Lemon Sole...カレイ
    日本で言うところのカレイはこちら。淡白で上品な味わい。私はPlaiceが一番のお気に入りです。
  • Hake...メルルーサ
    フィレオフィッシュの原材料として有名だった(らしい)白身魚。こちらも水分が多く、加工に適した魚です。

おまけ:ロンドンでも食べるなら

ロンドンでもジェリードイールを提供する店はいくつかありますので、わざわざウィスタブルまで行く暇のない方はこれらへどうぞ。

M.Manze
1902年創業、かのベッカムも通っていたという有名店。
ロンドン市内に3店舗あり、デリバリーも可。なぜかTシャツやマグカップまで扱っている。

  • 87 Tower Bridge Road, London SE1 4TW
  • 105 High Street, Peckham, London SE15 5RS
  • 226 High Street, Sutton SM1 1NT

F Cooke
こちらはさらに古く1900年創業。ロンドン市内に2店舗あり。
ウナギは忌み嫌われてる雰囲気なのにどうして支店がいくつも持てるの?と疑問がわくとは思いますが、支店が作れるのはウナギではなく、他のパイのおかげです。

  • 9 Broadway Market, London E8 4PH
  • 150 Hoxton St, London N1 6SH

他にもこちらの記事にまとまっています。

www.theguardian.com

店の多くは市の東〜南東方面に固まっています。イーストサイドこわい!という方は、スーパーで探してみましょう。
たぶんWaitroseやM&Sでなければ売っているはずです。